【要点(後前編)エイミー・C・エドモンドソン「チームが機能するとはどういうことか 『学習力』と『実行力』を高める実践アプローチ」】

複雑な業務では、ある子ども病院の取り組みを紹介しています。複雑な業務では失敗する可能性にありとあらゆるところで直面します。リーダーは常に存在するリスクというチャレンジに向き合うことになります。この状況でのチーミングは、弱点を認識し、失敗を避ける計画をブレーンストーミングで話し合い、失敗した場合にそれを分析するための戦略になります。リーダーはそうした状況でのチーミングを促進・支援するのにきわめて重要な役割を果たします。待ち受けるチャレンジにはマニュアルもなければ手本とすべき成功例もありませんでした。問題を見つけて解決するためのチーミングには、さまざまな視点から見る鋭い観察力と、時宜に適った率直なコミュニケーション、それにすばやい意思決定が求められました。リーダーのチャレンジは自己組織化学習システムをつくって新たな領域を開拓することでした。リーダーにはある目標がありました。入院している子どもたちを絶対に危険な目に合わせないことでした。おそらく誰もが賛同する目標であるために、無謀な目標ではありませんでした。はじめのうちは、みんな身構えていたので、思うようにいかなかったようです。複雑な業務では、ただ一人のミスではなく、多くの人が関わるシステムの故障であることが多いのです。複雑な業務でチーミングが行われると、適切なリーダーシップ、人間関係についての意識、規律に加えて、予測、問題解決、診断、システムリスクを軽減する力に影響がもたらされ、重大な失敗を避けられるようになります。複雑な業務においてチームをリードすることは、説得力ある目標を伝えて、すぐには答えが見つからなくても行動を起こすよう人々を促すことからはじまります。そうした状況でチーミングを促し、支援する場合、リーダーは共同調査員を探すことになります。それは、積極的に協力して、それまでずっと解決されてこなかった問題を探し出し、確認し、解決しようとしてくれる人のことです。未知のものが数多くあっても旅に出てくれる人でもあります。
 患者の安全性運営委員会には意図的に多様な人が集められました。最初統計データを見せましたがみんな反対しました。そこで「オーケー、データはこの病院には当てはまらないかもしれない」と理解を示した上で、こう質問しました。「実際にどんな経験をしたか教えてもらえる?すべてが、こうあってほしいと思うのと同じくらい安全だったかしら?」それは人々の経験を尊重するものであり、また向上心を促すものでもありました。リーダーは力を合わせて「システムを変える方法を考える」よう、全員の支援を求めたのです。

(後後編に続く)  


Posted by はかせ at 18:25 | Comments(0) | チームに関する本